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ITADORI JOURNAL

不味くはないけど、特別美味しいわけでもない。

食べるのに時間も手間もかかる。

地味な色。

道端に生えるただの“雑草”。

それでも春になると、高知の食卓にはイタドリが並ぶ。

​なぜそこまで愛されるのか。​​​

この飽食の時代をしたたかに生き抜くイタドリの

小さな謎を解き明かすために、

料理人を訪ねる旅に出た。

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イタドリご飯の折詰弁当

お弁当に入っている小さな具やお豆は、細い方が安定して取れて食べやすいかなって思う。お弁当箱の狭いところにも届くしね。あと、箸先に意識が集中する気がする。そうすると、ゆっくり味わえるのかなって思う。

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イタドリ_虎杖
学名: Fallopia japonica var. japonica

タデ科ソバカズラ属の多年生植物。山菜。
全国に分布するが、好んで食べられるのは高知、和歌山、三重ぐらいのものである。
​高知に至っては郷土料理として昔から親しまれている。

山野や道端、土手などのいたるところで群生し、草丈は1.5mほどになる。

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​​証言①

放課後、塩を持って山に取りに行ったね。

おやつだったね。他に食べるものがないから。

戦後、植林したから、だいぶなくなったね。

昔はもっとどっさりあった。

うちのおばあらは、家の裏と近くの川の土手に

採りに行って、塩漬けして年中食いよった。

毎日、食わされてみいや。飽きるぞ。

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20年ばぁ前、イタドリがあるからゆうて、

愛媛の方へ採り行ってた。1時間ちょっとかけて、

軽トラに一杯くらいを5回くらい行ったろうかね。

山の中をごそごそ這ってね、採るのがおもしろいの。

一か所見つけるとたいてい10本くらいそばにあるのよ。

宝探しみたい。

​​証言②

​​証言③

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イタドリが好きでたまらん、ということはないけど、

小さいころからよく食べてたなあ。

食べれんもんじゃなかったで。

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​イタドリ、気になってきたでしょう。

では、まずは山に採りに行って、

それからぬるま湯に漬けて、皮をはいで、

塩漬けにして一晩待ちましょう。

そして食べる六時間前に流水に漬けましょう。

・・・そんな手間と時間のかかること、

誰がしましょうか一部の人々を除いては。

ここ、高知では春になると、

町の居酒屋のお通しにも、

近所のおばあのおすそ分けにも、必ず出てくる。

なぜそこまで愛されるのか。

この小さな謎を解き明かすために、

イタドリを携え、「食」を生業とする人たちを

訪ねる旅に出えることを決めたのです。

​一、高知にゆかりのある

  飲食店を訪ねる。
二、塩漬けイタドリを使って、
  そのお店らしい料理を

  作ってもらう。
三、それを囲みながら、

  高知での暮らしと

  レシピを聞き取る。

​探訪のしおり。

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​AUTHOR

​探訪員

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神奈川県出身。大学卒業後、中土佐町の

有機農家に1ヶ月ファームステイしたことを

きっかけに、中土佐町大野見に移住。

2022年3月より、イタドリの加工販売促進というミッションを携えて、地域おこし協力隊に着任。

週の半分は有機農家で働いている。素潜りが好き。

最近好きな本は、辺見庸「もの食うひとびと」。

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