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イタドリと出会ったあとに、

大阪帰ってみて、よう見たら

イタドリが生えてた。

枚方駅前に生えてたんよ。

「これイタドリやん」って。

まあ、雑草よね(笑)

高知県民以外は雑草(笑)

排気ガスかぶってそうやし、

よう食べへんけど(笑)

藁屋にて。

高知でイタドリがこんなにも愛されるのはなぜか、
そんな小さな謎を解き明かす探訪の旅。

最初に立ち寄ったのは、
旬の野菜を使った定食が人気の藁屋(わらや)。

全3回にわたるインタビューでは、
イタドリを使った藁屋らしい料理とそのレシピ、
イタドリにまつわる思い出、美味しい記憶の作り方、
「名前を呼ばれる関係性」の現在地などを深堀りします。

明日、作る料理がちょっとだけ美味しくなりますように。

​笹 麻衣さん(左)・高知県高知市出身
笹 隼也さん(右)・大阪府出身

#1 イタドリとグリーンカレー

 隼也  今日は夏野菜とイタドリのグリーンカレーをつくります。

 

探訪員  グリーンカレー!

               定食スタイルのイメージだったのでまさかの角度です。

​​

 隼也  ほんと?グリーンカレーはタケノコの時期に

            出してるんだけど、今タケノコないじゃん?

            イタドリのクリスピー感が合うんちゃうかなーって。

            タケノコの代わりというか。

            塩漬けしてあるから酸味も抜けてるし。

            まあグリーンカレーが食べたかっただけっていう。(笑)

 

 

 

 

 

 

 

探訪員  ななめに切るのがいいんですか?

 

 隼也  イタドリって繊維が多いからさ、

     できるだけ繊維をとったほうがいいけど、

     歯ごたえは欲しいじゃん?

     輪切りだと、食べやすくはなるけど、

     カリカリ感は弱くなっちゃう。

     塩漬けにしてないと、ドロドロに溶けるんよ。

         火を通したらピューレみたいになっちゃう。

     ジャム作るときはいつもパキパキ折って

     そのまま砂糖と一緒に合わせて火を入れるよ。

 

探訪員  ジャムにするんですね。

            塩漬けにしないと生の酸味をそのまま活かせますよね。

 

 麻衣  そうそう、うちはちょうどブラッドオレンジとかが

     出てる時期にやるよね。

     チーズケーキにイタドリのジャム乗っけたり、

     焼いた上にそのソースとかかけたり。

     ルバーブジャムに似てるよね。

 

探訪員  イタドリは藁屋のメニューにもあるんですか?

 

 隼也  うん、イタドリが旬の4月は出してるよ。

     塩漬けしてない生のイタドリを金曜市とかで

     買ってジャムにすることが多いかな。

     塩漬けのものでおかずにしたりもするけど。

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金曜市について。

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およそ100年前から続く高知の金曜市。
隼也さんは10年近く、通い続けている。
「街路市の文化があったから、美味しい野菜を
お客さんに出す藁屋の今のスタイルができてる。
その場に野菜を作った婆がおって
「ばあちゃんこれどっちがおいしい?」って。
「これはこうなっちゅうほうが美味しいで」って。
何じゃかんじゃ言うて、
『ありがとう、またね』言うて帰って。
その会話をしに行ってるみたいな。」
7月某日。​1本50円でウコンの花を
売っていた農家さんと「ウコンがどう実るか」
という話で盛り上がっていた隼也さん。
後日、お店に行くと、窓際にひっそりと
ウコンの花が飾られていた。
このお店を包む暖かさの正体が垣間見えた。

  隼也       でも一般的に、イタドリって言ったら塩漬けだよね。

     フレッシュを食べるってあまりないよね。

     あなた(麻衣さん)生のまま塩をつけて食べるって

     言ってなかった?

 

 麻衣  それは道すがらね。子どものころ、

     道に生えてるのをポキポキ折って食べよったよ。

     今思ったら汚いと思うで(笑)両親が田舎の出身やったき。

 

探訪員  麻衣さんのご出身は?

 

 麻衣  私は高知市の街中やけど、両親は土佐清水の出身やき、

            その影響で田舎っぽい育ち方してるかも。

探訪員  じゃあ、麻衣さんは街中にある道端のイタドリを?

 

 麻衣  そうですそうです(笑)

 

探訪員    私が住む村のおんちゃんも筒状になってるイタドリの

              空洞に塩を詰めて食べてたって聞いたことあります。

 

 麻衣  ばあばがね、毎年「そんなにいらない」って

            くらい採ってくるし、買ってくるんよ。

         イタドリの時期には毎晩毎晩、塩漬けを作る。

            趣味なんよ、手を動かしとかなあかんみたいな。

            テレビ見ながらとか。家族で食べる分以上の量を

          「もう嫌」ってくらい冷蔵庫にストックしてる。

 

探訪員  どこに採りに行くんですか?

 

 麻衣  運転中にどうしても山が気になるんよ。

         イタドリがあるかないか。どうせ人んちの山よね(笑)

              ほんで道淵の山に入ってって、採って、

            眼鏡落として帰ってきたりする(笑)

 

探訪員  おじいちゃん?

 

 麻衣  じいもばあも両方(笑)

          こけて帰ってきたこともあるし、

     大体イタドリと引き換えに何か失って終わるっていう。

 

          ーそうこうしているうちにグリーンカレーが完成。

夏野菜とイタドリのグリーンカレー

     〈材料〉

     ココナッツミルク 400g

     グリーンカレーペースト 50g

     ナンプラー 大さじ2

     砂糖 大さじ2

     生姜 ひとかけ

     レモングラス(あれば)適量

     鶏もも肉 250g

     イタドリ 塩抜きしたもの250g

     調理油 大さじ1

 

     お好きな夏野菜(お好みの量)

     ・パプリカ

     ・茄子

     ・ゴーヤ

     ・しめじ

   〈作り方〉

   ❶ナスは乱切りにする。しめじは小房にほぐす。

    パプリカは1cm幅、鶏もも肉は一口大に切る。
   ❷中火で熱したフライパンに油をひき生姜を入れて温め、

    鶏もも肉を入れて炒める。

   ❸色が変わったらレモングラスを加え、お好みの夏野菜と

    イタドリを入れて炒め合わせ、全体に油が回ったら

    グリーンカレーペーストを入れて炒める。
   ❹全体に味がなじんだらココナッツミルクを入れて

    弱火で10分程煮込む。鶏もも肉に火が通ったら

    砂糖とナンプラーを入れ混ぜ合わせて5分程煮込み、

    火から下ろす。​​​

探訪員  トロトロのナスとイタドリの歯ごたえがあいますね。

            カレールーにイタドリがしっかり絡んでる。

            夏バテで食欲なくても食べれそうな美味しさ。

 

 隼也  辛い。辛いの苦手なんだよね(笑)​​

探訪員  イタドリってそれ自体に味があまりないからか、

         めっちゃ馴染んでますね。

 麻衣  辛い(笑)辛いけど食べたくなるね。

            イタドリの食感もいいやん。

探訪員  色んな味に染まって高知の人に食べられてきたことが

     うかがえる主張のなさですね。

        シャキシャキの食感以外は、、(笑)

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